君を守る盾になろう
白いヒラヒラのワンピースを着て、ピョンピョン跳び跳ねてた可愛い女の子が、5年後のある日、突然娘のような存在に変わった
君は小学4年生、その意味が理解できたかどうかは聞かなかったけれど、なんの違和感もなく受け入れてくれたね
まって~まって~と泣きながら追いかけてくる君、時間を守らない子にならないようにと厳しくしてごめんね
初めて君からもらったプレゼント、プーさんの飾りの付いた「パパちゃん」の印鑑、インクは乾いてもう使えないけど、まだ大切に持ってるよ
夏になるとよく二人で海に行ったね
テントを張って泊まった夜、蚊が凄くて寝れなかったよね、結局明るくなるまで起きてたけど、体中がプクプクになってたっけ
君が女の子から女性になったとき、自分で買うのが恥ずかしいからと、私に買い物を頼んだっけ、私が買う方がもっと恥ずかしかったよ
店員さんの視線が痛かった(TT)
思春期をむかえた君、いつまでも君のママと結婚しないことが、君に悪影響を与えないかと心配したよ
いつ反抗期を迎えるかと思っていたけど、結局一度も反抗しないまま大人になったね
高校時代のアパート生活、初めての独り暮らしは楽しめたのかな?
アパートに遊びに行った朝、君を起こして学校に行かせ、掃除洗濯をして夕飯を作って君の帰りを待つ
あの頃の私の一番充実した休日だったよ
成人式の朝、着物を着た君を見に来なよとママから連絡があり、仕事の最中に見に行ったっけ
ゆっくり話したかったけど、すぐに帰ってごめんね
実は君に涙を見せるのが恥ずかしかったんだ
一緒に写真を撮り、少し話始めたら涙が出てきた
誤魔化していたけど、我慢できなくなる前に帰ったのさ
色々あった8年間、本当にありがとう
子供のいない私に、父親としての心配と期待と感動を与えてくれて
これからも私の子供は君1人、そう思っていてもいいかな?
もし君が世界中を敵にまわしたとしても、私は体を張って君を守る盾になろう